『集中力をつける』森 敏昭 (日本経済新聞社) / レジュメ作成:不機嫌亭ゲーム班 進行豹 序章:集中力とは? → 集中力は 「性格」の一種であるようでもあるし、   「注意」と密接に関係しており   「意欲」を原動力としているようにも思える。   “集中力”は、多面的で複雑な要素を持つ能力であり、   一言で説明することは出来ない   (そのせいか“集中力”という言葉は心理学辞典には載っていない) →この本では、1〜3章で集中力を、性格、注意、意欲を切り口にして分析していく。  4〜7章で、明らかにされた“集中力の正体”に基づき、  『集中力を高めるための具体的な方法』(≒集中力を阻害する要因の除去法)を探る。  8章では、集中力を情報化社会で活用するかについて考え、  9章では、集中力を想像的発想に役立てるための留意点を考える。 【一章:性格タイプ別集中法】 →アイゼンクの特性理論   「人の性格は“内向的-外交的”というX軸と、“情緒の安定-不安定”というY軸とを二軸とする、    二次元の座標上に位置づけることが出来る」 (http://ex.senmasa.com/mpi.php で テスト可能)   私(進行豹)のテスト結果 「 外向的、神経症的傾向小   単に外交的な性格、というのを通り越して、軽い躁病の疑いが出てきます。   外向性と同じく神経症的傾向も、低ければいいというものでもないのです。   鬱病ほど発生率は高くありませんが、気分が高揚しているために本人は調子がいいように感じており、病気だという自覚もありません。   しかし、軽率な言動で周りを驚かせたり、借り物の意見を自信満々で振り回したりするので、一緒に仕事をする人は迷惑このうえなく感じているかもしれません」 →神経症的傾向 小 = 情緒安定だと思うので、私は(多分) 『外交的・情緒安定型』   このタイプの私が、集中力を高めるためには 『一日の仕事量を自分で決めて “その日にやるべきことは、必ずその日のうちにやってしまう”習慣をつける』ことが大切。  →言われてみると私は “やれる限りは全部やろう”として、結局全方位を中途半端にしてしまうことが多い気がするので、     「その日は、これだけを絶対にやる」と、一日の初め、もしくは前日の終わりに決めてしまうのは、とても良いやり方なような気がする。 【二章: 注意力の仕組み】 →人の注意力は 「意識的に選択をして、強化することが出来る」  (例1:飲み屋で となりのグループの話は雑音にすぎない<実際に、音として聞こえていても、聞こえていないのと同じ状態>     が、興味のあるキーワードが偶然耳に入って来た瞬間、それは「会話になって聞こえてくるようになる」) →人の注意力には、限界がある  : ランダムな数字を読み上げてもらい、覚えていられるのは通常 5〜9個の間。注意はそれ以上持続できない。 →人の注意力は 「(意識的に)処理しているつもりが無い情報にも、ある程度、無意識に振り分けられている」    (上記、例1もその具体例。無意識が処理しているからこそ、自分にとって意味深いキーワードに注意が引き付けられる。   車の運転をしていて子供の飛び出しにとっさに反応できたり、野球のとき 読みと違うボールが来た時ファールで逃げられたりも、この作用) 『集中が(騒音などにより)妨げられてしまうのは、  この“無意識にふりわけられる注意力”が、  注意を集中したい部分に対しての妨げとなってしまう形で作用する、ということ』   故に、“注意力を余計な方向に作用させない工夫”が、そのまま「集中力を高める工夫」になる。 具体的には・・・ 1:『一度にやる仕事は、一つにする』    (並行作業をしない) 2:『そのときにやっている仕事と無関係のものは、視界から外すようにする』    (気を散らさせる可能性を減らす) 3:『そのときにやっている仕事と関係するものを、視界の中に集めるようにする』    (気が散りかけたときに、再集中のきっかけと出来る要素を増やす) 【三章:意欲充実集中法】   → “注意を集中する力、注意力を分散させない力 = 集中力”では無い。  →  集中して物事をなしとげるためには、「集中した注意を持続させること」が必要だから →  集中を維持するために必用なのは、「意欲」。    意欲を乾電池の電圧に。そこから生まれる仕事量を電力に。注意の振り分けの仕組みを並列回路にたとえてみる。    『電圧=意欲が低すぎると、仕事量=電力はまったく発生しない。     また、人間の情報処理は意識的にせよ無意識的にせよ並列なので、     注意というスイッチをを上手く使い、“今処理したい作業”の回路に電力を集中させないと、せっかくの意欲も無駄に浪費されてしまう』    つまり“集中力が発揮され、仕事がばりばりこなせる”というのは、     『高い意欲が他のことに注意を奪われずに運用された状態が、持続されている』ことを示す。        ならば問題は 「どのように意欲を高め、高めた意欲を持続させるか」――ということになる。   → 『自己効力』≒「自分はやればできる! と思える力」が、意欲の原動力。    自己効力が低いと、チャレンジすらもできなくなる。 → 『自己効力』を高めるためには、以下の方法が有効    + 成功体験を積み重ねる・自分を上手に褒める(ご褒美を与える)/上手に褒めてもらう    + 失敗を実際以上に重く考えない (“失敗したって、命までとられるわけっじゃない”ケースがほとんどなのだし)    + 目標を、少しずつあげていく (“頑張ればやれるけど、サボったら無理”という程度の目標が適切。遠大すぎる目標は、かえって意欲を奪う)   【第四章 : 心身リフレッシュ集中法】 → 「疲労」と「飽き」は、集中を阻害する。   →疲労は身体からの、飽きは精神からの、『そろそろ休みなさい』というメッセージ。    →故に、効果的な心身のリフレッシュ方法を身につけることは、効果的な集中のために有効。 → 疲労の特性を知るための検査として、“クレペリン検査”というものがある。   それよりと、一般的に 仕事量と休憩との関係は、   「仕事開始(高い)」→「中盤(低い)」→「予告されている休憩前(高くなる)」→休憩    →「休憩後仕事開始 (非常に高い)」 ・・・・・   となり、『最初のとっかかりのときより、休憩後の再開時の方が仕事量が増える』ことが明らかにされている。   (故に、計画的に休憩を取ることは、集中の維持のために非常に重要) → ので、心身リフレッシュのための第一の規則は 『計画的に休憩を取る』こととなる。 → また、仕事順の選び方も重要。   上記のように「とっかかり時には、実は仕事効率は高くない」ので、   『難易度の低い仕事から初め、徐々に難易度をあげていく』やり方が有効。 → さらには、都度の休憩では回復しきれない疲労を、まとめて回復することも必要。   (夜には寝る、週末には休む、等) → 究極の疲労回復方法は睡眠。ついで、趣味とされている。