マイク・ザ・ウィザード "The Wizard of Speed and Time" (プロローグ)  黒画面。  「おい、このフィルムを見てくれ  「フィルム」  「ああ、デモ・フィルムだ。才能にあふれている」  「才能などいらん、必要なのは、知名度だ、スターだ!」  「まぁ見てくれ、流すぞ」 << 映画開始 手作り感あふれる、しかし完成度の高いSFXフィルム>> 【ACT1】  1977年、ハリウッド。    自主製作のSFXフィルムを作ることで、映画の道を志している青年、マイク。  プロローグで流された彼のフィルムが、TV番組ディレクター、ストレイカーの目にとまる。  ストレイカーと、プロデューサーのブックマン(OPでマイクのフィルムを見た二人)とは、 丁度「SFXをテーマにした特番」を組まなくてはならないところ。  ブックマンは、今回の仕事で成果を出せないと、会社内での立場が非常に苦しいものになる。  ストレイカーは、マイクのフィルムを気に入り、この番組をマイクに任せたいと考える。  ブックマンは、進退がかかっているので、とにかく大物スターを起用したい。  ストレイカーの熱意に負けたブックマンは、マイクを呼び出す。  二人の所属するハリウッドスタジオに向かう途中、ヒロインとの偶然の出会い。  マイク、別のデモフィルムを見せ、ストレイカーもその出来に納得。  「特番のOPを任せてもいい」と、言ってくれる。  が、マイクは「OPじゃなく、撮らせてほしい話がある」と台本を渡す。  その失礼さに腹を立てるストレイカー。  「後に連絡する」とマイクを返し、台本を捨てる。  当然、待てど暮らせど来ない連絡。  貧乏ともあいまって、マイクは落ち込んでいく。   「他の人はどうなのかな――  誰も読まない脚本を書き、誰も見ない映画を撮っているのかな  ……映画は趣味にしよう。他の仕事をして、趣味で映画を楽しもう。  …………いっそ、そうできたらどれだけ楽だろうか」  一方、ハリウッド・スタジではブックマンの捨てた台本を、偶然にストレイカーが見つけ、読んでくれる。    たいそうそれが気にいったストレイカーは「番組のギャラ=25,000ドル」をかけて、 マイクの起用を進言。お金大好きなブックマンは大喜びでそれを受け入れる。 <<第一ターニングポイント>>  ストレイカーからの電話で、番組内のフィルムを任せてもらえることを知るマイク。 【ACT2】  マイクと親友のカメラマン兼経理係のルーカス、ブックマンとストレイカーとの打ち合わせ。  ブックマンは、賭けに勝ちたいので、マイクの台本を無視し   『とにかく今までに無いものを撮りたい、SFXで一番難しいのは?』とマイクに質問。  マイクが「ストップモーション(コマ撮り)」と答えると、  「それで行こう、ストップモーションで“踊る撮影スタジオを撮るんだ”」と無理難題。  ストレイカーが「おい!」と詰め寄るも、マイクは乗り気。  早速、ルーカスとともに撮影を開始するマイク。  「金のことは気にするな」の言葉を真に受け、スタジオや機材を借り、前渡し金を受け取ろうとするが、 『組合員では無い』との理由で断られる。  それでは――と 組合に入ろうとするが、たらいまわしにされてしまう。  ハリウッドの“システム”の前に、途方にくれかけるマイク。  やむなく、自宅でガレージセールを行い、いくばくかのお金を手に入れ、音楽を発注。  同時に、ハリウッド中のゴミをかき集め、大道具、小道具を用意。  自宅ガレージでの撮影を開始する。  悪天候や非・組合員であることに苦しみながらも、なんとか形になるフィルム。  それを、ブックマンとストレイカー達が見に来る。 --------------------------------------------- <<ミッドポイント>>  マイクのとった 『踊るスタジオ』の、ストップモーション・アニメーション・フィルム。  フィルムの出来は素晴らしいものだが、ブックマンの軽率な行動により、手作りのセットはめちゃめちゃに壊れてしまう。  逆切れしたブックマンは 「金は払わんぞ」といって立ち去る。  しばらくのち、ブックマンは 「さっきは悪かった」とマイクに電話。  「報酬は倍払うから、もう一本撮ってくれ。今度はロケで」と。  ロケには、市の撮影許可が必要だし、時間も無いし、人もいないしで  断ろうとするマイクに、ブックマンは 「ゼロか二倍か。ロケの撮らんと前のも買い取らん」と脅し。  マイクは、もう一本の撮影を決意。 ---------------------------------------------  電話をきったブックマンは、チンピラをやとってマイクの妨害を命じる。  マイクは、市の撮影許可を取るお金が無いので、ゲリラ撮影を決意し、撮影を開始する。  実際の撮影。  警察のパトロールの目をかいくぎりながら、 仲間たちの協力により、ロケはなんとか進んでいく。  チンピラの妨害を、チンピラの無能さゆえに(そうとも気付かぬまま)かいくぐるマイク。  ヒロインとの恋愛サブプロットの本格化。 (映画本筋の中では)  ベッドルームでのシーン、チェイスシーンなど、ハリウッド映画必須要素をこなしつつ、 (マイクが劇中で撮っている)フィルムは、やがて完成をする。 <<第二ターニングポイント>>  ストレイカーに渡しにいったフィルムは、しかしブックマンに持っていかれてしまう。  渡された小切手は、約束の半金で、しかも不渡り。 【ACT3】  激怒したマイクは、編集スタジオに忍び込み、渡したフィルムを「七面鳥の一生」のフィルムと取り替えてしまう。  そのことに気付き真っ青になるブックマン。  何もしらなかったストレイカーと一緒にマイクに詫びにいき、現金で約束のギャラを支払い、 マイクのフィルムは無事、ストレイカーの手に渡される。  その後、ストレイカーのやとったチンピラが原因となり、ストレイカーはスタジオの社長を激怒させ、解雇される。  いよいよ、特番放映の日。  派手な宣伝で、町は盛り上がり、マイクの部屋には撮影仲間みんなが集まり、TVを囲んでいる。  TVが始まり、(マイクが撮っているのもではない)ダサいオープニングがながれ、  さていよいよ、マイクのフィルムが!  というときに『大統領の緊急放送』  「ノーーーー!」と絶叫するマイク。  TVの前でまてどくらせど『大統領の緊急放送』は終わらず、一人、また一人と撮影仲間は部屋から去っていく。  絶望したマイクは、未撮影のフィルムや、結局それを撮影することはいまのところかなっていない (ストレイカーが絶賛してくれた)台本などを燃やしてしまう。  マイクの落胆っぷりに危機を感じたヒロインは、マイクをドライブに誘う。  デートをするマイクとヒロイン。  デート中、ようやっと『大統領の緊急放送』が終わり、マイクの撮った 『ロケのフィルム』が、 素晴らしい完成度で、全国のTVに流れる。    デート、いい雰囲気になるマイクとヒロイン。  と、放送をみて、二人を探していた撮影仲間やハリウッドの住人たちが、 こそこそと二人のまわりに(気付かれぬよう)姿を見せ始める。  キスをするマイクとヒロイン。  と、撮影仲間やハリウッドの住人達が 「おめでとう! マイク」とお祝いし、 マイク="The Wizard of Speed and Time" をたたえる歌を歌って、ハッピーエンド。