White Note ... リライト意図 オチはなるほどと思いました。このオチは変更する必要はないと最初に思ったので、 細部の修正に留めています。ただし、もっとも大きな変更として、「曲名を出さない」 ことにしました。この短編中では曲名はさほど重要ではなく、「実は少女は何も 聞いていなかった(けど僕の会話を聞いていた)」というのが大事だと感じたからです。 それと、原文では「少女が冷めた目で外を眺めていた理由」が最後までわからないまま なのが気になりました。厭世観なのか、そう見えるだけなのか。リライトでは最初 「ものすごく楽しそうに世界を見ている」ようにしてみましたが、不自然だったので、 なるべく「冷めた目」を強調しない形にしています。もし原作のままなら、「冷めた 目の理由」は、はっきりさせたほうがよかったと思うのです。 以下、「細部の修正」に関する詳細です。 ・主人公が男性であることをもっと早く示して欲しい。「僕」が出てくるのは、原作  では13行目、初見では、それまで女性だと思っていた。リライトでは1行目に示す  ようにした。 ・視界の端に少女が写った時、具体的な場所の記述が欲しい。どの程度離れているかの  距離感を示すため。 ・「楽しそうだったから」というだけの理由で話しかけてくるには、少女が積極的  過ぎる気がする。もう少し、確定的に二人がかかわるための仕掛けが欲しい。  …ということで、リライトでは、「僕の好意(?)を聞いた少女がそっちも好意を持って  云々」のような、ラノベばりの展開に。 ・彼女が俺の話を聞いてたことを示すのに、真島の名前ではなくて、会話の内容を  出した方が、はっきりわかっていい。真島くんとの会話が聞かれていたかどうかが  原文からははっきりしないし、真島くんの名前を「僕」が出すのも、女の子は  知らないと思っているはずだから唐突すぎる。 ・本編中、名前が出るのは真島くんだけで主人公も彼女も名前出ないのだから、もう  真島くんも名前出さなくていいのでは。 ・「ひとつ君の、いうことを聞いてあげるわ」とか若いミソラでキケンな発言は、  さすがにマズい気がする。なので、リライトでは「質問に答える」ことにした。  ただ、これだと出題への質問と被るので読者にわかりにくいかもしれない。 ・彼女から話しかけられた後、「彼女とは対照的に、どんどんと重くなる。」という  表現があったが、「何が」重くなるのかわからなかったので削除。せっかく話せて  いるのだから、気分が重くなることはなかろうし。 ・原文の「時に楽しく、時に哀しい。どんな気分の時にでも、合う一曲よ」を聞いて  オチが見えてしまったので、これをもう少しぼんやりと描く ・「いつも聴いてる曲」のように「曲」を前に出したのは、「4分33秒」という  曲名を出したかったからだと思う。しかし、前述のように曲名は重要ではない  ため、リライトでは「曲」という単語を全て削除した。 ・「僕」という一人称に対し、後半の僕の話しぶりは少し乱暴に感じる。やわらかめに  修正した ・あと、時々「俺」という一人称が出てきていたので統一。 ・最後、「耳が良すぎるから耳をふさぐ」という彼女と、「電車の音を聴いて愉しむ」  という僕の考えは、矛盾している。両方書くなら、この間をつなぐ記述が必要。  リライトでは後者を削っているので修正せず。