「大統領選」リライト方針 やまださき ■執筆方針 まず、原作を読ませていただいて感じたのは、 ジョナサン・ランパートという人物の、かっこ良さ。 彼の台詞の一つ一つに込められた、力強さとカリスマ性こそが、 この作品の肝であると思いました。 というわけでリライトのコンセプトとしてはこういった ジョナサンの英雄性をさらに押し出していくこと、になりました。 取材部分はともかく、中盤以降の流れは 一記者からみたジョナサン像とは言いがたく、 全編を三人称として書き直しました。 (といっても、人称で大きく変わったのは取材部分のみ) 文体としては、ちょっとだけ翻訳ものの風味に近づくような意識はしました。 ジョナサンの言葉は基本的に そのままにするつもりで進めました。 ヘイドリックの台詞、 流れだけ残して組み立てる部分も多かったですが、 ジョナサンの台詞は前後の繋がりに合わせる以外は あまり手を加えないようにしています。 後半の演説部分は、山田の解釈に基づいて、 できるだけ元の意味が変わらない程度に変更。 ”彼ら”に明確な意思があるかどうかについては、 どちらでも捉えられるような原作でしたが 山田の(中のジョナサンの)想定上は、 何らかの意思を持っている存在として発言させています。 ■気になったところ 1.インタビュアー(語り手)の人物像が不安定 インタビューの序盤で駆け出しと言っているが、 後々ジョナサンより年上だったり、 ロートルだったりしているのは設定ミス。 ”彼ら”に対する印象もいまいちはっきりしない。 ↓ キャラクターを地方紙のそこそこベテラン記者に設定。 ついでに人称を改めたのに伴い、勝手に命名。 2.ジョナサンの選挙活動が凄いのかどうかよくわからない テレビや新聞に無視される 予備選挙で勝ててない 動画を上げてもみられてない という流れで、突然、大逆転できそうですといわれると ちょっと説得力に欠ける 選挙の仕組みも、結構な専門単語が出てくるのに 説明不足で誰と争ってるのかもわかりづらい。 ↓ マスコミ世論対ネット世論的に。 (明言されていないのでとりあえず)米国”風”の大統領選 である体で、選挙の流れの部分を加筆。 3.無効票のくだりの違和感。 上記にもある選挙の仕組みの不明瞭さもあって、リアリティに欠ける。 加えてこれだけの無効票はジョナサンの願いに即していない気がした。 ↓ 選挙の結果については結果メインで、詳細は仄めかす程度に。