<短編十二ヶ月KAICHOさん作品 "つゆのあとさき" リライト方針> 進行豹
1: 全体に「犬視点」が人間っぽすぎる気がする。
→「人語を解する能力がない」わりには、
人間特有であろうアレコレについて細かく理解できすぎている。
時間感覚などについても、同様。
また
>我輩以外の誰かから見えるわけでもない。
の描写にいたっては「完全に神視点」になってしまっていて――
(自分以外の存在が「何を見ているのか」を把握できてしまっている)
――ぶっちゃけていえば、
『主人公である犬に、何を、どう見ているのか』を、
丁寧に想像「しようとすらしていない」としか思えない描写になってしまっている。
――ので、そういう部分を、できるだけ不自然にならないように修正する。
2: 「語りで説明」している部分が多すぎる。
→1とも絡むが、主観説明が多すぎるので、「博識すぎて犬っぽくない」
感覚を強めているように思う。
説明ではなく描写。あるいは、主観ではなく「他者の言葉を聞く」ことで
結果が説明になっている――という風に書き換えれば、そういう部分を
洗練させるのことができるように思う。
ので、そのように修正する。
3: 「我輩」である必要は?
→「吾輩は猫である」を連想させる書き出し/一人称なのに、
それが物語的にどう機能しているのかがあまりわからなかった。
なら、もっと平凡な一人称の方が「どこにでもいる犬の話し」
になって、読んでくださる方に親近感を持って貰えると思う。
4: 犬が「最初から死んでいる」必要性は?
→ラストで意外性を出すのであれば、
「ああ、あのときに!」という形の方がフェアだし、読んでて楽しいと思う。
ので、そうした仕掛けを持つように、構成しなおしてみたい。