【原作について】 はじめて読んだ時、ラストでおお、と驚いてしまいました。 話の見せ方(雰囲気作り)とオチの意外性という部分で、完成度が高い作品だなと思います。 (ので、この2点についてはリライトでも原作の良さを消さないように、と心がけました) 一方で、物語の展開について、一読者として読んだ時に 1.オチの驚きが物語にリンクしていない 2.姉が悪役に見えてしまう(やや言葉がきつい) 3.妹が消極的すぎる という3点が気になりましたので、 今回はこれらを軸にリライトさせて頂くことにしました。 【リライト方針】 気になった点についての対応、という形で書いていきます。 1.オチの驚きが物語にリンクしていない 話が「読者にとっての謎解き物語」に留まって、作中で何かが解決したわけではないので、 読後にやや不完全燃焼感があります。 解決案として、 (1)部屋の謎の解決を、語り手の主目的とする(姉を語り手にする、など) (2)自己存在の確認(「まぼろし」でない)をメインに (3)部屋からの脱出を主目的とする (4)姉妹の関係改善 の4つを考え、比較した結果、 最も作品の雰囲気やキャラクターに合っていそうな(2)を採用しました。 ○具体的には ・「まぼろし」と言われてのショック描写を増やす ・最後に冒頭の疑問に立ち戻って答を出す 2.姉が悪役に見えてしまう これについては、キャラクターの味でもあり、迷ったのですが、 一応、 (1)こまめに表現を和らげる (2)妹を気にかける描写を入れる の2点を直してみました。 ○具体的には ・会話を多少マイルドに (姉を笑わせたり、掛け合いを増やしたり) ・最後に妹を気遣うシーンを挿入 (結果として1.(4)も実現) 3.妹が消極的すぎる 語り手を変えることはしたくなかったので、 妹をより積極的に話に関わらせるように、少し台詞や展開を変えました。 ○具体的には ・姉の疑問に対し、より関心を持たせる ・最後に空を目指すのを妹にする (行動力を見せる) 【その他】  実を言うと、原作の解釈として、 ・部屋は水槽の中にあるのか、外のものが見えているのか ・絵の姉妹がダミー(not語り手)なのか、比喩なのか という部分ですごく悩んでしまいました。 間違っていたらものすごく恥ずかしいのですが、一応、 水槽の中、比喩、というイメージでリライトさせて頂きました。 以上です。よろしくお願いします。