『原因』 リライト方針


<拝読して思ったこと>

 →“壊れたHDD”というお題なのに、HDDという言葉が使われていない。
   記憶箱がHDD相当だとは理解できるのだけれど、
   お題はあくまで“壊れたHDD”で、“壊れた記憶媒体”ではないので、スッキリしない。

 → お話は前半がもたもたしている。
   「男」が、書きわりっぽくて、切実さ・悲しみがイマイチつかわってこない。
   
   種明かし以降は、グググっ! と素敵度がアップしている。
   プレミスにはたいそう納得がいくし、綺麗にまとまって面白いと思う。
 
   ただ、それだけに主人公である「技師」が、「望むならもう一度あなたに・・・」とかを、
  「一応」つきとはいえ言っちゃうのは、違うように思った。

   “そのような推測”が出来るほど、“心”を想いやれる人間なのに、なんでそんなこと聞くのかなぁ、と。

   ので、“これは、以降の台詞を引き出すための台詞であって、「技師」の心からは出てこない台詞だ”的に
   感じてしまい、ちょこっとだけお話から離されてしまった。
  

 → 途中で物語が *****で切ってあって、なのに話しが連続してるので、ちょっと読むリズムが止まってしまった。
   大きく場面や時間が飛ばないのなら、続けたほうがよいと思う。

 → 説明が『立て続けにまとめてされる』ため、
  それが物語の「説明感」を当然のように強めてしまってると感じた。

   「説明パート」→「会話パート」→「説明パート」となってしまっているような。
 
    物語は「もの/がたり」なので、地の文での説明は最小限にとどめ、
   (説明という)「もの」を(登場人物たちの)「かたり」とまじえながらで浮き上がらせてあげたほうが、
   「物語として読んでもらいやすくなる」なるように思った。

  → 「ロボット三原則」の持ちだされ方が、ちょっとお話を危うくしてしまうかと思った。
   「ヨウコさんを傷つける」ことを想像できるロボット(人工知能)であれば、
   「自殺をすれば、男を傷つける」ということを想像できないはずもなかろうし、
   であれば「生者を死者より優先する」のが、理の当然であるように思えてしまったので。

 

<なので、どう直すか>

 → 記憶箱とHDDという言葉を絡める。

 → 読みづらかったり、言葉がしっくり来てなく思える部分を直す。

 → 説明を減らし、描写を増やし、それらをバランスよく配分する。
   同時に、登場人物に、わかりやすい人間味を与える(感情面の描写を増やす)
 
 → ロボット三原則の使い方を変える
 

 

――以上です、ほんのわずかなりと、何かのお役にたったりあるいは反面教師として頂ける面がございましたら、とても嬉しく存じます。

2012/04/30 進行豹 拝