リライト意図、というか言い訳。
最初、作品を完全にリライトしました。というのは、原作は、
<喫茶店の中のみを舞台とし、場面転換なしの短編>というお題から──『場面転換
なし』の部分から──外れていると感じたからです。ではこのお話を、本当に
場面転換無しに纏めるにはどうしたらいいか、ということで、まずリライトする
物語の骨子を以下のように決めました。
・人物関係は変更しない
・『あたし』は、新人賞への応募作がもう少しで完成なんだけどオチが書けてない状態
・ついさっき、先輩が彼女連れのところを見てしまって意気消沈
・その状態で喫茶店に入ってきた
・マスターに慰められて、執筆に集中することを決意
・マスターから最後のオチのアイディアをもらい、執筆に全力投球
・閉店を随分過ぎたころ完成、マスターは完成を待っててくれた
・マスターが「夜道は危ない、家まで送るよ」と言い、誰かを呼び出す
・やってきたのは先輩、驚く『あたし』に「息子に彼女なんか居ないよ」と耳打ち
・二人を送り出して、マスター満足げ
これでざっと書いてみたのですが…どうにも15KBに収まらない。マスターの人柄を
殺し、本好きの設定を殺し、好々爺にして始めてサイズ的には収まりそうになった
のですが、それだと原作のコミカルさをスポイルしているように感じました。
で、では、原作に対し、ストーリーは全く変更せず、誤字脱字と、気になった以下の
部分の修正のみを実施したらどうなるか、ということを重ねて実施してみました。
・マスターの口調が統一されていない、性格が今ひとつ不明
・先輩を彼女連れにしたマスターの意図と、その効果が明確でない
・喫茶店の名前がまだ喫茶店っぽい。「カフェ・銀の蔵」くらいのインパクトがほしい
・場面転換してしまっている…
・マスターを笑いのネタにしたいところだが、やや中途半端。もう少しネタがほしい
二作を比較し、やっぱり原作のよさを出すには後者の方が、ということで、今回は
後者を提出致しました。
コメディベースの作品を書く力を鍛える必要がある、というのが今回の自省点です…。
おまけ:
「あたしは、途中で使えないと感じたプロットはことごとく捨てていった。」
これは否定的に書かれていますが、実は上達への一番近道だと信じています。
過去の自分を捨てられないと、過去への固執から数をこなせず成長できないからです。
昔の作品を躊躇なく捨てられるようになりたいものですね。