今回は最終回だけあって皆さん完成度が高かったと思いますが、 この作品もその例に洩れません。  前半は中学入学直前の少年たちの清新さが目を引きますし、 後半に至って起きる事件も「この少年たち」の視点から見る、 ということが狙いでしょう。そしてその狙いは成功していると思います。  なので、これはこれでいい……というのも思ったのですが、気になるところを いくつか挙げますと、 1.前半が長く、バランスが悪い気がする。もう少し「夢」という   モチーフを生かすよう、後半(未来人と会ってから)に紙幅を使うべきでは。 2.最後の「それがどういうことかは、これから考えていこうと思う。」というのは、   作品のラストとすべきことではないと思う。これは作者の思考停止の文言。   進行豹さん8月期と同じ。  やはり、「夢」のモチーフを浮かび上がらせるよう、 記述は追加することが望ましいでしょう。 @少年たちの人生の背景についてもっと書き込む。 A登場人物を増やす。 などが考えられますが、後者のアレンジとして、 B成長後の少年たちについて描写する。 を今回採用してみました。  前半部は、流れをよくすることを意図して、かなり刈り込んであります。  なお、「大量の惑星群の中に太陽系が突っ込んでる」とか、 「太陽よりも大きな惑星が何万とある」とか、 科学的にはムチャクチャなんですけど、4月期作品と同じで、 こういう大ボラを吹くという資質にはあこがれます。 私にはできないので(笑)  これは、直そうかどうか相当迷いましたが、そのままとしました。  少しファンタジックな部分があるほうが、少年たちとの邂逅シーンが 生きると考えたからです。 以上となります。