「それは恋ではないけれど」 作:GoShu のリライト方針 (進行豹


精読し、感じたことと、そこから思った
「わたくしならこう書くなぁ」という点は、
以下の三つです。

――――――――――――――


■ タイトルとお話がマッチしてない ■

 というか「ロボットと恋心」というテーマを書きたかった話とは思えませんでした。

 もし、↑を書きたかったのだったら、物語の入れ子構造とか邪魔なだけどとも思えますし。

 むしろ

1:こみ入った構成の話にチャレンジしてみたかった

2:そのため、要素を増やしたほうがよく思えた

3:ので、SFでロボットものにした

――という感じで作劇されたのかなぁ??? とか、感じてしまいました。


 上記仮定が正であっても誤であっても――

<ラブストーリーを書きたいのであれば、シンプルに>

<込み入った構成の話を書きたいのであれば、
舞台や人物設定をシンプルに>

――しないと、短編としては処理しきれなくなるようにわたくしとしては感じられます。


 一読者としては

「ややこしい話をややこしい構成で読まされる」

ので

「読んでてわくわくできるだけの余裕がもてない」

ように感じ、残念なきもちを抱いてしまいました。


 

■ 構成がややこしすぎる ■

 上記の噛み砕きとなりますが、

「Aパート」→「Bパート」→「Aパート」→「Bパート」→・・・
みたいな構成は、

『短編でやるには極めて不適』かとも思います。

 短編は、一気呵成に読んでいただけてこその短編で
(なんとなれば、描写できる情報の絶対量が限られ、
それはそのまま「世界に引きこむ力の弱さ」でもあるから)
ブツ切り構成にしてしまうことは、その切れ目の回数分の
「お話から冷めるキッカケ」を作ってしまっていることに
他ならないかと私は思います。

 ので、構成上の必要があるにしても

「A」→「B」→「A]くらいに整頓すべきだと思いますし、
その方がオチ(に設定すべきであるわたくしが感じた要素)
の切れ味も増すように思います。


■ 過去エピソードが、散漫に感じられてしまう ■

「三人称で語られる物語」とは「主役のいない物語」ではありません。

三人称で語るにしても

<そのシーンを、誰の視点で見るか>

が散ってしまうと、読んでくださる方が物語への集中を維持することは
極度に難しくなるとわたくしは認識しております。

 ので、過去エピソードは

「クミコを視点登場人物とした三人称」で、
現在進行形で、語ったほうが面白くなるんじゃないかなぁ、と思います。

 

■ T型フォード組立のエピソードに無理がない? ■

+ チコの彼氏は、大学で一人でそれを組み立ててたの?

+ 何故、チコがそれを引き継ぐの?

  故障状態でもなんでも、それほどの未来なら、
  T型フォードの車体にはプレミアがすごいかかってるのでは?
  全くの無価値物とは思えない。

+ チコが引き継げたとして、なんで高校がそれを修理することを
 特例許可するの?
  坂貝は何故協力してるの???

 ――等々、すごく疑問に思いました。

 「T型フォードの修理」をメインに書きたいのであれば、
 その辺ふくめ<ここだけで短編を書ききる>べきですし、
 そうでない(他に書きたいテーマがある)なら、ここは
 「もっとわかりやすく、疑問は生じない学生エピソード」に
 するべきです。

 ここでも「要素が多すぎて、物語から溢れる」現象が発生してしまっていると感じました。

 短編においては「そのテーマと密着していない(そのテーマを語るために機能していない)ディテールは、 『全て雑音』となってしまうのではないか」と、わたくしは感じてしまいました。

 のでので。このエピソードはがらっと
「もっとシンプルなもの」に変更すべきであると感じました。


――以上。そんな方向でリライトしてみたいとおもいます。

少しでも参考なり反面教師なりになる部分がございましたら、幸いです。

2013/01/31 進行豹