「待ち人、来たらず」リライト意図 やまださき ■リライト方針 原作では「妻」の物語を内包する「夫」の物語という構造だったのですが、これを 「夫の帰りを一途に待つあまり、自らの時間を止めてしまった女性」の物語として 再構築しました。 大きく悩んだのは婦人の止まった時間をどう表現するかの部分で、婦人の視点の方が 認識のズレを理解しやすいと思いました。 どちらかというと原作ありきな前日譚っぽくなってしまったのは反省します。 そして、原作、以上に、救いが、無い。 ■思ったところ ・KAICHOさんの情景描写は毎度山田は好きなのです。 ・私=主人であるとして「不器用でぶっきらぼう」「自分を表現するのが下手」と評 されるには不自然な会話が多い。 ・私は全てを知っている以上、小説としては恣意的で一現象を描写しているだけに 終わってしまっている感がある。 ・婦人は島の住人であるならば、結構程度のイレギュラーで動揺し過ぎのような気がする。 精神的に誇張されている部分もあるのだろうですが。あと連絡船の欠航は到着時間より ずっと前に分かりそうなものだとおもいました。 ・ループしている単位がわかりづらい。繰り返されているのは劇中にある3日なのか、 待っていた半年なのか。記憶も一日で消えていることを思うといささか謎。その割に 言動は歳相応でもあるのが違和感があります。 ・細かいですが、いつも婦人が待っていて、二人以上待っているのを見たことがないなら、 その場所は婦人以外は使っておらず待合室になってないんじゃないかしら。