【メインプロット・メイカー & メインプロット・チェッカー】(V1.02_2009/04/06:誤字修正・微調整) このテキストの作成にあたっては 「ハリウッド リライティング バイブル」 (リンダ・シガー / 愛育社) 「ローレンス・ブロックの ベストセラー作家入門」(ローレンス・ブロック / 原書房) の二冊を、ものすごく参考にしています。 ので、上記二冊をあわせてご参照いただけますと、このテキストがお役にたてる可能性が飛躍的に向上するかと存じます。 また、 良い点は上記二冊のおかげ、 「これはどう?」「間違っているのでは?」という部分に尽きましては 不機嫌亭ゲーム班 進行豹 (hexaquarker@gmail.com) の責任 と、ご理解いただけますと幸いです。 このテキストにつき、何らかの問題点等がございましたら、上記連絡先までの御連絡を頂戴できれば幸いです。 ------------------------------------------------------------ 【 メインプロットメーカー】 + 「その物語で“最も伝えたいこと”を明確にしましょう」 + 「以下の五要素を、全て明確にしましょう」        1・主たるストーリーラインの5W1H  (誰が、どこで、いつ、 どこで、どんな目的で、何を、どうやって、どうした/どうするか)                        2・物語の核を構成するアイディア (=プレミス)    3・イメージ (物語の舞台・ムード・質感)    4・登場人物 (魅力的に、役割 & “その物語内での動機” をハッキリとさせて)    5・対話性 (キャラクター同士は、どのように会話をするのか=キャラクター間の関係性)     + 「導入部=act1 のイベント内容を考えていきましょう。順不同で、必要と思われるイベント内容は」 ・主人公の紹介。主人公の動機=物語の目的の明確化     ・物語の目的 が “達成可能かどうか” を読み手に疑問づけする (=セントラル・クエスチョン)     ・物語解決のためのヒント=物語が動き出すきっかけ (=カタリスト)     ・プレミスの明確化     ・主人公の行動・成長・変化  + 「第一ターニングポイントを作りましょう。ここでの目的は “導入を、展開に導く” ことです」    ・ 動き出した主人公が 「すんなりとセントラルクエスチョンを解決」しては、お話になりません        ・『<導入部で動き出した主人公が>、<せっかく動き出した “のに” ××××× なので>、<展開部でアレコレしなくてはならなくなる>』      ↑の、×××××部分を埋めることが 「第一ターニングポイントを作る」ということです。       + [展開部=act2 のイベント内容を考えて行きましょう。順不同で、必要と思われるイベント内容は]  ・複雑化 (=コンプリケーション ≒伏線を貼る)。物語に深みを与え、ストーリー・イメージに起伏を与える要素。    ・障害。主人公の目的達成を妨げる要素    ・セントラル・クエスチョンの再提示      ・アクション! 派手な行動。物語を加速・緊張させる要素  + 「第二ターニングポイントを作りましょう。ここでの目的は “展開された物語の方向性を換え、クライマックスへ導く” ことです」   + 「クライマックスのイベント内容を考えていきましょう。順不同で、必要と思われるイベント内容は」   ・物語中 最大の障害。    ・逆転!(=リバーサル) 切り札の使用。( <複雑化>要素中で張っていた伏線が回収されるカタチになればベスト)     →クライマックス以降で、最も大事になるのは ―― + 「エピローグ・解決(=レゾリューション) のイベント内容を考えていきましょう。解決で必要なのはただひとつ」   ・解決 = 「物語の動機の充足。それにともなう主人公の成長・変化  の明示」      ――のみです。    エピローグがだらだらすると、“折角クライマックスで盛り上がった感情が幻滅に変化する”こと請け合いですので、ご注意ください。  ↑以上の手順で、基本的なプロットは完成します。     ---------------------------------------------------------------- □ メインプロットの作成は、基本 出来る限り一人、多くとも二人 でやりましょう。   □ プロットが出来上がったら、チェックの前に、あるいは人に見せる前に、一昼夜以上の時間を起きましょう。   書きあがった直後は、絶対に冷静なチェック・意見の取り入れは出来ません!   □ 出来上がったプロットを、以下のチェッカーを使い、複数人〜大勢でチェックし、改善点・改善意見を出していくのは、非常に良いと思われます。 □ ただし、その改善点を下に、メインプロットを修正する作業は、“そのメインプロットを作成した者のみ”が行いましょう。 □ 何故「複数人でプロットの作成・取りまとめ作業をやってはいけないか」は、実際一度やってみて、そのプロットを下にシナリオを起こしてみれば、   イヤというほどご理解いただけるのではないかと思います。      ----------------------------------------------------------------- 【メインプロットチェッカー】 ・物語の動機は明確ですか? ・プレミスは、プロット内で機能していますか? 「設定だけ」の存在になってませんか? ・ストーリー、キャラクター、プレミス、イメージ(舞台・ムード・質感)、ダイアローグ(キャラクターの対話性) は魅力的ですか? ・プロット内で、“キャラクターが十分に動き、しゃべれるだけの、時間的・空間的・イベント密度的な 余地”を与えられていますか?     ・物語を通じ、キャラクター(特に、主人公)は成長・変化しますか? ・導入部で、舞台・ムード・質感を読み手に伝えることが出来ていますか? ・それは、物語の内容とマッチしていますか? ・主人公(ないし、ストーリー)には、明確なきっかけがあたえられていますか?   ・それは、読み手に明示されていますか? ・「説明」と「行動」。 説明の方が多くなっていませんか? ・セントラル・クエスチョンは読み手に明示されていますか? ・途中のイベントを省略してみましょう。セントラルクエスチョンと、クライマックス→解決  とは、まっすぐつながりますか? ズレてませんか?? ・ターニングポイントごとに、それは問いかけ直されていますか? ・第一ターニングポイントは明確ですか? それは、展開部分を導いていますか? ・第二ターニングポイントは明確ですか? それは、クライマックスを導いていますか?     ・クライマックスは解決へまっすぐつながっていますか? 解決では、セントラル・クエスチョンは解決し、きっかけは充足されていますか? ・「それから・・・」でダラダラ語りすぎてませんか? クライマックスの興奮をダイナシにしていませんか?