『Why did we DeathMarch on 同人ノベルゲーム 〜錬電術師で死にかけるまで〜』

【テスト版】 の、試読モニターさんからのご感想






< katsura ぶろぐ kiisanさん から頂戴いたしましたご感想 >

+ このご感想は、頂戴したご感想を参考に、内容の改善を図るための 【テスト版】 に対する
ご試読レビューとして頂戴いたしましたものです。
ご指摘いただいた各所ののうち、改善させていただきたき部分につきましては、
改善・改良点として製品版に反映させていただきました。


+ ご感想は許可を得た上での転載をいたしております。



+ また、特に必要と思われます部分には(蛇足を承知で) <編注>を加えますことをご容赦ください。




■ 『Why did we DeathMarch on 同人ノベルゲーム 〜錬電術師で死にかけるまで〜』テスト版 "ご試読後の感想"



Q1:あなたの立ち位置を教えてください (制作者さん、プレイヤーさん、レビュワーさん、同人ゲームに興味の無い方 等々)

プレイヤーです。
レビュアーもさせていただきました。


Q2: 『How to making 同人ノベルゲーム  -錬電術師が出来かけるまで-』 に、何を期待して読んだかを教えてください

前作「でき(かけ)」のような読み応えのある物語を期待していました。
「でき(かけ)」はHowTo本と称しながらも、第一章が完成するまでの波乱万丈をウソや誇張のない表現で綴ったドキュメントです。
ドキュメンタリーなのに全体の起承転結が明確で、同人サークルでなくとも感動を禁じ得ない素晴らしい物語でした。
今回の「死にかけ」では、第二章リリースでのデスマーチにフォーカスして、スケジュールが遅延していく悲壮な状況と、
その苦渋を乗り越えて第二章V1.00をリリースされたドラマだと想像していました。




Q3:読んでみて、その期待は満たされたか、満たされなかったかを教えてください


残念ながら、期待していた通りの作品ではありませんでした。
現在の第三章製作までに不機嫌亭ゲーム班が体験された様々な問題を記したエッセイ集といった雰囲気ですが、物語的な面白さに
欠けていて、「でき(かけ)」のような爽やかな読後感がありません。
失礼な表現ですが「不完全燃焼」という印象を受けました

同人サークルのことは良く分かりませんが、「でき(かけ)」は他サークルの手本や希望となり、評価が高かったのだと思います。
「死にかけ」は、「ウチのサークルも同じ。」といった同人サークルからの共感は得られるのかも知れませんが、
「こうすれば上手く行った。」という成功事例ではないので、読み手として「だからどうなの?」と結論に欲求不満が残りました。





Q4:発見した誤字、脱字、レイアウト上の不備、内容の不備などがありましたら教えてください


表現のゆらぎが気になります。

1)文体のゆらぎ

製作日誌でも見受けられるのですが、必要以上に丁寧語を使われているのが読み辛いです。
特に前半に多いのですが、例えば、
教訓1(P5) 「そこに入り混じりました結果」→「そこに入り混じった結果」
教訓2(P7) 「多少の効果はございます」→「多少の効果はあります」
教訓3(P9) 「他にやっていらっしゃる方が」→「他にされている方が」
など、多く見受けられます。

特定相手への文章なら別ですが、不特定多数の読者に向けて筆者が丁寧語を使う必要は無いと思います。
特に、教訓3(P9)の「やっていらっしゃる」は「やる」+「いらっしゃる」でなのでおかしいと思います。

すべてが丁寧語で書かれている訳でもなく、後半では「です。ます。」主体の表現に変っています。


また、「………です(ます)ので」という表現が何箇所か見られますか、文末が「ので」で終わると
言い訳っぽく見えます。
「ので」が無い方が文章をスッキリと受け止められます。

例えば、教訓12(P27)
増やしてくれる効果』も見込めますので)  →  増やしてくれる効果』も見込めます)
向上できましたことも また、確実ですので。  →  向上できましたことも また、確実です。


2)単語のゆらき

全体を通じて「製作」と「制作」がゆらいでいます。

教訓1(P9)、教訓6(P15)、教訓12(P27)等では「第一章」「第二章」と「第」が付きますが、
教訓11(P25)では「一章」「二章」と「第」を省略しています。

マンガ13(P28)では「チーム体勢」と「チーム体制」がゆらいでいます。

教訓14(P31)「順調にいっている制作」と「順調に行っていない制作」で、かなと漢字がゆらいでいます。


また、僅かですが誤字の類が見受けられました。

【教訓2(P7)コラム】 そのデンでいくと、

 誤字ではありませんが、一瞬「伝」のことだとわかりませんでした。
 ここは漢字で表記された方がよいと思います。


【教訓6(P15)】 作成しなおした当たりから、

 時期を表わすので、「当たり」ではなく「辺り」が適切だと思います。


【教訓8(P19)】 『完成次第にリリースをする』

 「に」「を」は不要です。『完成次第リリースする』


【マンガ10(P22)】 新技術取得に一ヶ月かかっても、

 この場合、「取得」よりも「習得」が適切だと思います。



Q5:本全体として、良かった点がもしあれば教えてください


マンガのプロットはどれも秀逸だと思います。
本当はお寒い実話でも、狩野さんSDキャラのセリフとして4コマ風に表現されると、とてもコミカルなショートコントとして
仕上がるのでは、と大変期待しています。
シナリオ=進行豹、作画=狩野蒼穹、と不機嫌亭ゲーム班本来の姿で描かれる作品であり、クオリティの高さが予想できます。

また、教訓5(P13)〜教訓8(P19)は、標題通りのデスマーチについて生々しい経験が綴られており、読み応えがありました。
同人サークルでなくても、大変な困難を乗り越えて貴重な経験を積まれたとわかる作品のクライマックスだと感じました。




Q6:本全体として、「ここはちょっと」という点がもしあれば教えてください

教訓12(P27)桜崎さん「見守っていてくださいました」、教訓13(P13)空木洋珈さん「多大なるご厚意をたまわっておりました」等の
表現に違和感を感じました。
プレイヤーや他サークルメンバーになら、無礼を謝罪したり厚意に深謝するのはわかりますが、れっきとした不機嫌亭ゲーム班の
正規メンバーだと伺っていますので、ちょっと遜り過ぎの文章に慇懃無礼な薄気味悪さを感じました。
不機嫌亭ゲーム班を知らない読者には、「不機嫌亭ゲーム班は狩野蒼穹さんと進行豹さんの二人サークルで、他のメンバーは無理を言って
参加してもらったゲストなのか?」と読み取れてしまう表現だと感じました。

また、「かや姉(水島理音さん)、くろえ姉(いちいさん)…」から「…のお力添により、三章の質は劇的に向上してもおります。」
までの部分も、話の流れからすると、ここまで仔細に書き記すのは逆効果だと思いました。
進行豹さんの想いは理解できるのですが、感情が強く出過ぎていて、「それだけの優秀なゲストメンバーが揃っていたサークルなら、
なんで「死にかけ」たんですか?」との異論が出そうな文脈です。
とにかくゲストメンバーに対する謝辞は、あとがき等に記された方がよいと思います。

マンガ16(P34)と教訓16(P35)がマッチしていないように感じられたのも、作品を締め括くる章として残念です。
マンガ16(P34)は、「近道をして同行者に迷惑をかけたエピソード」から「行きたい道を行くことのリスク」を表現しようと
していると受け取れます。
すりわさんのセリフ「近道はダメでありますーっ!」が、本編を読む前に「近道するな」という結論を強く印象付けてしまいます。
教訓16(P35)は「方法と目的を取り違えて進むべき道を誤らないこと」「進みたい道を(正しく)進むこと」が主旨だと思うので
違和感を持ちました。



Q7:その他、何かお感じになられたこと等がございましたら、ご自由にご記述ください
 
同人サークル向けのHowTo本であれば、「死にかけ」はこれで良いのかも知れません。
しかし、プレイヤーの立場で申せば、第三章の完成への道が見えないまま話が終わるので不安になります。
(決して「でき(かけ)」のように、文末に【了】の字が入る終わりではないと思います。)

もう少し、第二章製作で得られた成功話や、第三章に向けての明るい展望が書かれていた方が、同人サークル、プレイヤー、
一般読者を問わず、よりいっそう読み手を幸せにするのでは、と思いました。




  






<いただいたご感想は以上です。ご感想、ありがとうございました!>