+ご感想は許可を得た上での転載をいたしております。
また、
<ネタバレ部分>についても
そのまま公開させていただいておりますのでご注意ください 。
錬電術師全章体験版を読了いたしまして、その感想ということでメールさせていただきました。もっとも実際は2月下旬に読了しておりましたのですが、自分に感想などを述べるだけの資格があるか疑問に思い、迷っているうちに進行豹様が多忙であることが日誌にも表れるようになり、ここまでメールさせていただくことができずじまいでした。その点からはこのメールが御迷惑でございましたらばお詫びさせていただきます。御返信のお手間をいただかずとも結構です。やはり自分は評論を行えるような立場ではありませんので一読者としての感想として書かせていただこうと思います。
『錬電術師』では、コンシューマのRPGに出てくる火属性魔法など一定の共通了解があって説明も省略できるものとは異なる「錬電術」という独自の魔法を採用されており、説明部分で冗長になりがちなところかと思いますが、比喩を用いたキャラクターの会話での説明が的確で十分に理解でき、スムーズに物語に入っていくことができました。
また、序盤の「カナへさん」「くろえ姉」といった名前が出ていながら姿を現していない人物など、キャラクターには分かっていて読み手である自分には分かっていないコトが常にあり、魔術結社や多様な魔術体系など男としてはワクワクしてしまう設定が伏線として明示される一方、列車に轢かれた人と奈落の道など予想しなかった伏線もあり、プレイ中は常に続きを読みたいと感じさせられました。
また、ナンキチなどの管さんたちやフジマルなどキャラクターのデザインがかわいく、人間キャラクターの表情も豊かで、彼らのかけあいシーンは非常に魅力的です。
ローズマリー・graffi戦はスピード感がありバトルものとして楽しめたのですが、他方でアジトでの陶耶や「恋電術師」でのグレンヴィルなどは魔法戦としての印象は少しあっさりでした。ホームページで公開されている「魔術講座」も読ませていただいており、設定にも興味があるのでより濃い魔術戦の描写があると嬉しかったです。
全章体験版では、詳しく語られていないことで今後語られることを期待さずにいられない部分ーーかや姉さんやグレンヴィル・ローズマリーなどーーが数多くあり、楽しみにさせていただいております。
あえて不満な点を挙げさせていただくとすれば、恋電術師のパートで読んでいる感覚と展開とのズレを感じたことです。「恋電術師」のムービーが流れたところでは笑って吹き出してしまい、平穏な日常のシーンとしては野球部の再建を含め楽しめるものだったのですが、「結界に閉じ込められてどうするかっ」という場面でいざ術師と対決と思ったところでのんびりとした展開となったことで肩透かしの感がありました。先にお伝えした点と関連させれば、敵方の術であると読み手としての自分にはわかっているのにキャラクターとしての貴一君にはわかっていないというじれったさだったようにも感じます。読み手としての自分ごと魅了術に巻き込んでいただけていたらよかったのに、といったとこ
ろです。(恋電術師の内容からして読み手が術に気づかないというのは想像しがたく、無責任な話で申し訳ありません)
とらまつりには参加できませんが、全ルートが解放された完成版を楽しみにさせていただきます。
<いただいたご感想は以上です。ご感想、ありがとうございました!>