つねちゃんさんから頂きました「錬電術師一章二章最終章家路、ならびにでき(かけ)死にかけのご感想」のご紹介


+ご感想は許可を得た上での転載をいたしております。
また、<ネタバレ部分>についても そのまま公開させていただいておりますのでご注意ください

+また、必要と思われます部分には(蛇足を承知で) <編注>を加えますことをご容赦ください。



 まず不機嫌亭ゲーム班と錬電を知ったのはビリジアンで見かけて体験版をプレイしたのがきっかけでした。

 朝松健氏の小説などでオカルト関係の知識もそれなりにあった(カバラ十字の祓いやホルスのサイン等基礎的なことは暗記しています)人間としては錬電術という設定が目新しくまず興味を抱きました。

 冒頭のアラディア先生の復活シーンではアニメージュ文庫の女神転生の小説版を読んだことを思い出しました。


 ただ一章体験版をプレイした当時は遊ぶのは商業ゲームか同人はもっぱらフリーゲームばかりだったのでそのままになっておりました。

 そうして次はやはりビリジアンで二章体験版を見かけてプレイしたのですが……あれがどうしてこうなった!!!と前作とあまりの設定の違いやらみっくみくなOPやらに……錬電術師やはり怖い子(Cガラスの仮面)と戦慄しておりました(笑)。

 数年が経ち同人シェアも買うようになった頃、サニーガールででき(かけ)がレビューされたのを見てまだ買っていなかった錬電術師の事を思い出し一章・二章を購入しました。
 翌新年(去年)全章体験版をプレイし、続いて丁度一年前できかけを購入しました。そして今日家路と死にかけを購入したのが私の錬電歴です。ブログは二章体験版のあたりからたまに、サニーガール(2009年夏コミ)以降はほぼ毎日拝見しております。

 地方の人間なのでイベント等には行くことが出来ないので全てDLsiteです。実家なので盆正月は家族を迎える立場なのです。かやぺったんスタンプとかイベントに行ける人がうらやましいと思いますね。

 それでは個別の感想を述べさせて頂きます。

 

 一章はまだ他の演出やエフェクトが少なかった為か、事あるごとに貴一がつばを飲み込むSEがやけに印象に残りました。
 分身するGIジョーにも笑いました。また関西の人間なので電車の乗り継ぎの説明もぴんとこなかったです。
 ですが物語の時系列がしっかりしていると感じたことや、BADエンドルートに入ると即終了というのでなく終わるまでじっくり描かれているのは読み物好きとして好印象でした。

 錬電術の設定を聴いて可能性を色々想像するのも面白かったです。
 物質の温度自体を操作するのには別途魔力が必要なのに「液体窒素」だと綾取るだけの魔力で可能なら、例えば陶耶の足元の地面を深さ2メートルほど「液体アルミニウム」に綾取れば沸点超えた金属に填まって即死するだろうとか思いました(錬電術の質量制限の法則から鉄とかよりも軽い金属の方が煮えたぎったプールの水量が多くなるでしょうし)。
 また魔力のデータ化とか言っていましたが、もし可能ならデータ化した魔力をコピーすれば無限に魔力を使えるのでは?とかも思いました。

 この一章でアラディア先生ファンになりました。全章体験版までプレイした身としては一章ハッピーエンド(アラディア先生無双エンド)が唐突でご都合主義的すぎる機械仕掛けの神降臨でも一番被害もなく幸せな終わり方かなと思いました。正史だと後家さんやドラゴン復活で確実に数千人単位の死者は出ているでしょうし。

 


 二章は一章に比べてボリュームも演出も本筋以外のエピソードも増えていて面白かったです。

 高校野球編とかすごく趣味に走っていて描いていて楽しそうだなこれぞ同人!とか思いました。
 余談にはなりますが高校野球の思い出といえば何といっても地元の峰山高校が甲子園に出場したことです。当時はちょうど阪神の監督が峰高OBの野村克也氏だったので話題にもなりましたが(余談の余談ですがヤクルト監督時代には丹後から神宮へ応援行く人も多かったです)、京都府は人口の過半数が京都市周辺の南部なので北部勢としては初しかも伝統ある公立高校(ウチは祖父の代から峰高です)ということでこの機を逃すと二度と甲子園に応援にいけないかもしれないと甲子園史上最大の大応援団が大挙して押しかけました。第一試合だったので深夜から地元を出ました。峰高生は臨時列車(丹後はまだ電化していないのでディーゼル列車です。AIRの舞台の兵庫県香住あたりも同じ路線です)を出して直接駅まで乗り付けました。そして大応援団はバス百台(比喩でなく実数)に乗って甲子園に向かいました。京都府下ではバスが足りなかったので岡山や広島の方からも手配してもらったそうです。途中人数確認の為高速道路のSAにとまった際には深夜なのに応援バスだけで駐車場が埋まったほどです。もちろん丹後以外に住む峰高OBも多数甲子園へ行ったのでアルプススタンドはさながら峰高の同窓会会場と化したそうです。試合の相手は強豪の日南学園だったので予想通り一回戦で敗れましたが、あまりの大応援団だった為か閉会式で特別賞を貰いました。臨時列車やバス百台出しても野村克也氏からの二百万の寄付金も含め多数の寄付金が集まったので大量に予算が余ってピッチングマシーンを新たに購入したりしたそうですが次の甲子園はかなり遠そうです。
 めちゃくちゃ余談が長くなりました(苦笑)。二章では他にもヨモツヒラサカ?(文中に?が入るとアラディア先生っぽく感じるのを錬電病と名付けて良いでしょうか?(笑))での死生観の話なども面白かったですね。

 気球エンドも面白くて、くろえ姉も本当はこんな風な学生生活を送りたかったんだろうなと思うと切なくなりました。二章でアラディア先生の次にくろえ姉を好きになりました。

 二章のもう一人のメインヒロインのロージィちゃんエンドは二章をプレイしていた当時だとしみじみとしたよい終わり方だと思いましたが、全章体験版をプレイした後だとこれって人類荒廃してない!?とかキープレイヤー(文字通り貴一君)不在のまま進んだその後を想像してorzになったりしました。

 

 続いて全章体験版の感想です。カナヘさんルートでもあるこのルートは人になりたいと願う管と人とのつながりとその対比と世界観のつながりを感じました。

 後家さんやドラゴンが現実的脅威として表に出たことで紺来家だけで対処してきたことが全世界的問題としてクローズアップされたことが、自衛隊との共闘も含め「自分は一人じゃない!」的な世界観の広がりを醸したようで一章や二章と比べて厨二エンジンをギュンギュン加速させました(笑)。

 錬電術の可能性も新たに考えさせられました。主に対ドラゴン用の戦術ですが、貴一君が錬電術で出来ることをもっとアピールすれば第一次攻撃隊に配属されてドラゴン殲滅できるのでは?(錬電病w)と思ったので制作に影響を与えなくなった(以後のルートではドラゴン戦がメインを張らないと思ったので)家路発表以後にこうして記述します。

 第一次攻撃隊に貴一が参加したなら錬電術師の特性を生かす為、首都圏防衛用のイージス艦に配置されることになるでしょう。イージス艦は対飛翔体(某北朝鮮のミサイル等)を相手にするにはうってつけの戦力(舞鶴に配備されているみょうこうは前述の飛翔体をその都度ロックオンしていました)ですから。錬電術でイージスシステムにリンクすれば半径千キロの錬電術の視界=綾取る範囲を得られます。綾取る質量の確保としてドラゴンの侵攻上の空のチリ(黄砂や粉塵等)を半径一キロくらい液体窒素に綾取れば即座に揮発して温度が下がり、急速な下降気流が発生し海面近くで温まり大量の水蒸気を含みつつ上昇気流が発生して大気が上昇し、上空で冷やされて飽和水蒸気が結露しつつ下降気流が発生し……の連鎖反応で夏場の海上ならば台風にはならなくとも熱帯低気圧クラスの積乱雲を作るのは容易でしょう(上空に冷たい空気が発生すれば日常的普通に起こることです)。

 ちなみに積乱雲一つの含む水量は100メートルプール100杯以上だそうです。
 ドラゴンに打撃を与えるだけの質量はこれで確保出来るかと思います。全章体験版の橋の説明であったようにただの雨粒にドラゴンを倒すだけの「意思」があるのかですが、二章の死生観の話の時に貴一が死んでもその体をかたどった分子や素粒子が健在ならばそれはその意思を継ぐだろうとういう説明もあったのと、同じく二章の死生観の話の最後にあった熱的死について科学と原始宗教との対比に類似性を覚える事柄に思い当たることがあったからです。
 三月の奈良の恒例行事に二月堂のお水取りというものがありますが、それに対応する行事として若狭(福井県)の神宮寺(名前の通り神仏合習の寺で、寺なのに菊の御紋と本堂には仏像の隣に神像があります)のお水送りという祭りがあります。若狭の神様が奈良の神様の行事に遅刻したのでお詫びに毎年水を奈良に送るとして若狭で十一月に井戸の水を川に流すお水送りをして奈良で受け取る祭りをお水取りとしたらしいですが、現代科学の確率論では地球の裏側のブラジルでコップ一杯の水を海に流したら半年後に日本で水道からコップに受ける水にはブラジルで流した水の分子が十以上含まれているそうです。
 つまり氷河の底や地底湖や海洋の底にずっと留まっていた以外の地表を漂よい循環していた水は全て貴一君やかや姉やくろえ姉やその他全ての(陶耶含み)想いや意思を含むもの(かつて貴一君達の血や汗や○○○であった水分子が確実に含まれているということです)であり、さらに雨の魔術的イメージとしては揮発拡散循環といった、ドラゴンの人の深層心理の負のイメージの集大成を拡散するものとしてうってつけなのではないかと思いました。

 実際の対ドラゴンの作戦としては、ドラゴンの侵攻路に積乱雲を発生させた時点で終了したと思います。ドラゴンに現実的な打撃をあたえるなら発生した積乱雲(プール百杯以上の質量)をニトログリセリンに綾取れば(起爆はドラゴンにぶつかった一しぶきだとしても)間に大量の空気を含む故に粉塵爆発の効果も入りドラゴンを殲滅出来たのではないかと思いました。ざっと計算しただけでメガトン級水爆以上の破壊力になります。ただこの作戦を決行すると錬電術師の潜在的脅威度が原爆以上のものになるので(気象レーダーと補助コンピューターにアクセスすればどこでも空爆可能。雨雲の出来ない砂漠の国だと砂嵐を綾取ればOK)結果は貴一君とアラディア先生が厳重な監視下に置かれるBADエンドしか思いつかないですね(苦笑)。

 

 でき(かけ)の感想は。いいえ私はアスカ派です。ずっとセガユーザーでしたがサタニストという呼び名よりはメガドライバーの方がしっくりします。好きな戦国武将は斉藤道三で好きな球団は物心ついたときからずっと近鉄だったんですけど亡くなったんで今は楽天ですね。

とか関西人が感想入れると延々と突っ込み続けることになるので割愛させて頂きますが面白かったです。

 

 最後に今日買った死にかけを読みましたが。そういえば去年の三月に関西に取材に行ったのはもしかして私のブログコメント(舞鶴山火事レーダー)の所為でしょうか?(*1)  湖国(滋賀県)の東部(岐阜との境あたりは特に)は近畿で一番雪の多い地帯ですよ。流石に去年の三月の降雪は地元(近畿北部の雪国)の人間にも読めなくてタイヤを(ノーマルに)換えた後だったですが、琵琶湖沿いを通れば問題無かったと思われます。あと関東の方だと滋賀に来る機会は滅多に無いと思われますので、少し南部へ足を運べば元祖ゆるキャラの生ひこにゃんにも会えたのに(彦根市は滋賀県です)と思いました。


(*1) の、影響も確かにあったかと存じます。 結局 舞鶴には到達できませんでしたが(泣
  その節はご情報、本当にありがとうございました!
   なお、その後、私はタイヤチェーンと毛布とスコップをトランクに常備するようになりました。
  「備えあれば憂いなし」な気も、「羹(あつもの)に吹いてなますを吹く」のような気もいたします。


<いただいたご感想は以上です。ご感想、ありがとうございました!>