差し伸べられた手を受け取って 少年は

失われていた “門” を見出し
その進むべき “道” を開いた

魔術師になる夢をかなえた 少年は

窮地に陥る姉のため
新たな “願い” を紡ぎだす


「先生 ―― 僕を殺してください」


純粋で 無防備で
酷く愚かな その声に

分かたれ 封じられていた
“災厄” の 低い叫びが呼応する

―― あるいは傷が ――

―― あるいは影が ――

―― あるいは病が ――

入り乱れあう “願い” の果てに 少年を
望んだ筈の/望まぬ未来へ 導き送る


錬電術師 -HexaQuarker- 第二章 infinite_routine