イングランドにはサウスゲート
新大陸にはデーモン
そして、極東には紺来


【錠系】と呼ばれる強力な魔術師の家系の一員でありながら
しかしその体内に魔力を導き出す通路、
 “門” を持たずに生まれてきてしまった少年――

魔術師になりたくて ただなりたくて、
望み、憧れ、あがきつづけることに
いつしか魔術師への道を諦めてしまった少年――

――紺来貴一。


平凡だったが平穏な 彼の日常に、
妹、まな への 『死の予見』 が降りかかる。

予見回避の道を求める貴一の前に、
差し伸べられるのは褐色の腕。

その手の主、“始めの魔女” アラディアは、少年 紺来貴一に問う。

ひとつだけの問い
一度きりの問い
少年のさだめを動かす、短い言葉を――